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6. PLP対策としての標準化のあり方について

(1)標準化の必要性とその範囲について
PLP対策でもっとも重要なことは、機器、システムの安全性の確保と向上である(3.1.2.参照)。
一方、万一事故発生の場合に対応して、PL保険に加入することが考えられる。しかし、PL保険でカバーされない部分があり、また、カバーされるとしても十分にカバーされない場合がある(3.2.及び4.1.2.(1)参照)。
したがって、万一の事故発生の確率を小さくする必要がある。
そのためには、警告ラベルと安全性に関する情報を記載した取扱説明書の整備が必要である(ただし、5.1.1.の安全性確保の限界に関する記載事項参照)。
船舶は、極めて多くの製造業者の製品から成る製造物であり、また、乗組員もその国籍、言語、文化的バックグラウンドが異なる場合が多い点など考慮すると、特に警告ラベルについては各メーカーなどが独自の基準で作成していたのでは、使用上混乱を招くことになるので、国際性と有効性(耐久性など)に配慮したデザインのあり方などについて統一標準化を図る必要がある。
また、ISOの制定済の警告ラベルに関する規格内容には整合性に欠ける点や、改善すべき点が含まれていると考えられるので、まず妥当な内容のJIS規格を制定したうえで、ISOに改正提案することが望ましい。
なお、今後統一標準化を図るべき船舶部門としての警告ラベルのあり方について、WG2で検討してきた内容を別添に記載するが、本資料は平成9年度も継続審議する予定であり、取扱いには注意を要する。

 

(2)警告ラベルの標準化に当たっての留意点について
あらゆる機器、船内システムに必要な警告ラベルを全て規格化することは不可能であることから、各機器、船内システムに共通的に使用できる警告ラベルのみについて標準化を図ることとする。不足分については、各造船所、舶用機器メーカーなどが今後制定される規格に基づいて、独自に製作することを期待する。
規格化された警告ラベルについては、船主、造船所、舶用機器メーカーなどが容易に入手できるように早急に環境を整備する必要がある。
JMS(日本船舶標準協会規格)として制定済の既存のPL関係標準類については、関連規格制定後、廃止する。
なお、警告ラベルの標準化に当っては、警告表示のあり方などPLP対策として、必要な要件を十分に考慮する。(5.2参照)

 

 

 

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